2013年3月23日土曜日

Do me

またまたご無沙汰になってしまいました。

前回の更新から一体何ヶ月経ったのか…。

今回はDo meです。アルバム”SURVIVE”に収録されています。アップテンポな感じと、稲葉さんのシャウトがあって、非常にキャッチーな曲のひとつだと思います。

この曲は、なんていうか、こういう精神状態でいられるうちは、人生とても幸せに生きられているだろうなと思う曲です。
多分、主人公の”愛しい人”は、本人はそこまで自分で思っていなくとも、主人公(傍)から見たら、すごい才能を持っている人なんだと思います。そして「君の一番のファン」である主人公は、それを他でもない、自分に向けて発揮してほしいと思っている。

ここには、稲葉さんの逆説的な哲学が有るような気がします。というのは、一般的なヒット曲やベストセラー小説というものは、不特定多数に受けることを想定するよりも、自分の側にいる身近な人のために創作されたものであることが多い…と、何かの事故啓発本かで読んだことがあるような気がします(笑)。そして、恐らくですが、稲葉さんは、その法則をなんとなく知った上で(B'zのトラックを制作する上で、感覚的にそのことを理解しているのではないかという憶測付きで)、自分がその成功する側でなく、君が成功する鍵となった人物となりたい!と歌っているのではないかと思います。

まあかなり自分の邪推というか憶測成分が強い今回の感想ですが、もしこれが真実だとすれば、稲葉さんはひとつのテーマを歌い上げることで、愛しい人への強い愛と、成功を願う気持ち、両方を一気に表現しきったことになるわけで、結構簡潔な歌詞でありながら、これはすごい曲だなと思うわけであります。ここで表現されているのは、すごい才能を持った「愛しい人」を陰ながらサポートするよという主人公の宣誓であり、憧れと愛情が融合した、すごく純度の高い感情なのではないかと思います。そして、だからこそ、私は冒頭で、この精神状態でいられるうちは、人生とても幸せに生きられるだろうな…という感想を書いたわけです。

ちなみに、私はAメロの「たまにゃ見返りを期待するんじゃなくて 身勝手なプレゼントでもないアクション」をどう解釈するかしばし迷ったわけですが、結論として、こう解釈することにしました。
結局これは、主人公が、「愛しい人」に、純粋な気持ちで、その才能を発揮してほしいのだと。自分に認められたくて=「見返りを期待する」んじゃなくて、しかもそれは自分にとって「身勝手なプレゼントでもない」もので。それを、「Do me」して欲しいのだと。

主人公の「愛しい人」は、「こわい」という感情が災いし、まだ「スタート」していないようです。そして「チャラチャラ毎日が楽し」い生活を過ごし、それなりにヌルい生活を送っているようです…「世界にひとつのスペシャル」とも言える才能を持っておきながら!

歌い手が、その聞き手である私達に対して、今こそやるんだ、君にはかけがえのない個性がある、と諭すように歌い上げるタイプの応援歌は世にたくさんありますが、この曲は、稲葉さんのセンスにより、主人公が才能を持った「愛しい人」がくすぶっている様を歯がゆく思う気持ちを歌い上げるという、一風変わったものに仕上がっていると思います。そこに、その才能を自分にこそ見せてほしい(この曲はDo meというより、Do for meなのではないか?)という独占欲にも似た愛情も加わり、なかなか深い歌詞に仕上がっているのではないかと思いました。


君がスゴイってこと僕は知ってるぜ~~~!!!!